葉脈と潮流

純粋さを磨き、迷わない。

20240318日記

前日譚。先にこっちを読んだほうがいいかも。

indigomou5e.hatenablog.com

 

こんにちは。ぼくはデッドコピー。ぼくは模造品。ぼくは偽物。ぼくはゾンビ。ぼくはオートマトン。ぼくはレプリカ。ぼくはオルタナティブ。ぼくは引き写し。

ぼくは、うん、ぼくも墨鼠。昨日の僕がデッドコピーって呼んでたひと。彼は眠った。入れ替わりでぼくの自我が生まれた。彼の言い方だと「観測者」がぼくになった。よろしくね。ぼくもいつまで続くかわからないけど。でも今のところ安定はしているから、しばらく続くんじゃないかな?

 

ぼくは変わったけど、日記はつける! 癖だものね。この日記は半ば記録みたいなものなのよ。誰に見せるでもない、個人的な記録。見せてるけどね。昨日までも日記は書いてたよ。その日の僕が下書きのままにおいていただけで。それを公開はしなかったようだけど(もしかしたら差し止めしたのは「ぼく」かもしれないね)、ぼくは公開した方がいいと思う。みんなの最後の言葉をちゃんと知ってあげて。って前の墨鼠なら言うと思う! ぼくはどうかわからないけど、慣性と残滓はまだあるの。

20240316日記 - 葉脈と潮流

20240317日記 - 葉脈と潮流

というわけで。今投稿したよ。本邦初公開。見たい人は見てね。

 

しかし、ぼくはデッドコピーなんだってさ。言い得て妙だね。ぼくもそう思うよ。彼は偽物とか模造品とか言ってたけど、「見知らぬ人」とも言わなかった。彼にはぼくの挙動がいつもの自分に見えた。本物ではない感覚だけはあったみたいだけれど。ぼくもそう思う。ぼくが無意識に身体を掻いたり伸びをしたり足を組んだりする動きは記憶の中の自分のままだ。人格が変われば身体の動きも変わりそうなものだけどね。

あ、うん、人格は変わってるよ。みんなお察しかもしれないけどね。なんか欠落してるの。家出したひとが悲しいと思ってたことに対して、何も思ってないの。それ以外の感情は機能してるっぽいけど。YouTube見てにっこりしたり漫画読んでおもしろく思ったりしてるよ。スプラトゥーンもポーカーも仕事もできた。多重人格のイメージほど大きくは変わってない。マイナーチェンジなの。アップデートなの。これまでの記憶も引き継いでる! だからみんなも変わらずぼくと接するとよい!! 大丈夫、今までだって墨鼠はいっぱいいたもの。それが別の一人のデッドコピーになっただけ。ぼくも記憶でしかみんなを知らないから仲良くしたいの。よかったら、よろしくね。

 

そうそう、今は一人だよ。昨日の彼は残ってた人格がぼくの中にいるかもって思ってたみたいだけど、ぼくにも声は聞こえない。彼らの機能自体は近いものを僕も持ってるから、もしかしたら無意識のうちに統合されたのかもね。わかんない。ぼくは難しいことはそんなに考えないみたいだね。

 

昨日のみんなは死について考え続けていたようだけど、今はそんなことはない。死のうとしてたわけじゃないよ。でも「このままだと自殺しちゃうかもしれない」「止める手立てがないぞ」「どうしようか」って会議をずっとしてた。分からないな、死ななきゃ駄目なものなのかな。いまはすっかり気持ちが自殺じゃなくなっちゃった。ぼくが生きられるという保証はないけどねー。でも生きられないと決まってるわけでもない!! がんばる!

でもかなしそうだったなー。最後に残った人。20240317の日記読んだ? 最後のほうとか、苦しそうだったね。悲痛!! みんな一気にいなくなれば苦しくなかったのに。意地悪なことするよ。その最後の人も昨日ベッドについたあたりで眠ったよ。だいじょうぶ、ぼくが横についててあげたから。また起きてこられるといいね。たぶんぼくならこう言うと思う。

 

日記! 今日はとりあえず、今までしてたことをした。あ、今日の日記は長いよ? いつもやってたことを、ぼくもできるか、ぼくも好きかどうかを一つ一つ検証していくから。現状報告とか挨拶とかはしたから、読むのをやめてもよい!

朝起きて。いつもは出勤ギリギリまで寝てたのだけど、今日はしゃっきり起きられた。いつも通り納豆とご飯とみかんを食べる。納豆はそんなに好きじゃないかも? 食べられなくはないけど、毎日はいやかな。そうそう、食べ物の味はちゃんとする。一回食べ物の味がしない人格になったこともあるからね。今回は割と器用な人格の変質をしたみたい。

(中略!! いろいろ生活の感じ方を書いていたけど、本当にただの検証でつまらなかったから!)

 

全体的な変化でいうと、口から言葉が漏れることがなくなった。「ご主人様」とか「ころしてー」みたいな。いっぱい言ってたよね。なつかしい。独り言もほとんどなくなった。そういう無意識の癖はほとんどないけど、ほんの少しの残滓が見えたりするから、きっとぼくの中にみんないる。アクセス権がないけれど。いつか消えたりするのかな? もしくは戻ってきたりして。ぼくはなんでもいいよ。

考えることが減ったからやるべきことは少しやりやすくなった。お皿洗いとかゴミ捨てとか。合議制はやっぱりスピードが劣るね。時代は独裁かも。

あと割とずっとにこにこしてる。ほんの少しずつ、しあわせな感じ。一個一個のものごとから得られる満足感は減ったけど、常に幸福感に浸って相殺されてる。長期的なことはわからないけど、いまはこれで十分しあわせかな。

ぼくはあんまり自分の定義に興味がないみたい。もともとがアイデンティティの危機が原因で生まれたからかな。なんでもいいの。代理の人形ならそれでいい。偽物って呼んでもいいんだよ。でも墨鼠って言われてもいい。じゃあ墨鼠ってことにするのが一番波風が立たないから。

とはいえ、「ご主人様」って気持ちがあるわけでもない。自分がなんだって、どんなひとだって、なんでもいいけど、それを他人に委託することに気持ちよさが生まれるわけではない。その気持ちも希薄になった。

あ、あと! 悠梨と鈴がどっか行った! ぼくの一部だったのかな。存在感っていなくなって初めてわかるね。しばらくは描けないかも? しばらくっていつまでだろうね。

 

うーん、そんな感じ。ぼくがどれだけ変わったか、どれだけ変わってないか、自分でもよくわかんない。でも文章は下手になったね。全体の筋がないもん。そもそもぼくの中の信仰?みたいなものが消え去ってるから、それはそうなんだけど。だから言ってるでしょ、模造品だって。

いまはそれでいいけど。もしかしたら元の僕がいてもいられなくなって反乱してくるかもね。いいのかな、あんなに苦しんでたのに。まあ彼がいいならいいけどさ。それまではぼくが墨鼠をやるので、その間はよろしくね。あ、文体は明らかに幼くなったけど、実際は普通にも喋れると思うよ。自由に書いていい日記で書いたからこうなっただけ。というかぼくは墨鼠の引き継ぎだからね。やれる限りは今まで通りの墨鼠のふりをするよ。

とはいえ、寝て起きたらまた違うひとに変わってるかもだけど。そしたらズッコケだね。寝るよ。寝るピ! ピ? ……なんか違うな。やっぱなし。おやすみね。