京都大学11月祭に行く。少し前に京都市立芸術大学の学祭に行ったこともあり、そことの対比をよく見た日だった。とりあえず、市芸のほうがオシャレさんが多かった。誤解を恐れず言うと、京大にはお利口さんが多い感じがする。世間の期待にそつなく答えるというか。だからお祭りの日も普通にやや良い服を着てくる。芸大はみんな自分の着たい服を全力で着てきていた。ロリィタ、メイド服、モード。どっちが良いとは言えないけど、個人的には芸大の方が好きだな。これは芸大に憧れがあるからなのかしら。
展示もお利口だった。学園祭らしいことをそつなくやってる展示が多い。コンセプトのあるカフェ(≠コンカフェ)をやり、お化け屋敷をやり、フードを売り… 多くの人が期待していることをできるのはすごいけど、ちょっと物足りない。君のソウルを見せてくれ。芸大、楽しかったな…
ところで、展示を見て思ったことがあって。もし僕がいま京大に入り直したとして、なんのサークルにも入れないんじゃないかと思った。京大は一万人以上の学生を抱えているからサークルもとても多い。思いつくサークルはほとんどあると言っていいだろう。しかし、それでもどこも居づらい場所になりそうだと思った。たとえばポケモンのサークルがある。僕はポケモンがある程度好きなのでそのサークルに入れそうに思う。ただし、サークルに入ると「ポケモンを好きな人」の典型例として振る舞う必要性があるように思えてしまうのだ。対戦ガチ勢になったり、数多のポケモンを愛でたり、グッズを集めたりしないといけないように思えてしまう。
何がそう思わせたのかと思案したが、おそらくほとんどのサークルに「個」が見えなかったからだと思う。「私たちは仲良くサークル名に相応しい活動をしてますよ!」という雰囲気は感じるのだけど、その個々の部員がどう動いているかがあまり見えない。そのサークルに入るとサークルを成り立たせる力に流されて自分を無くしてしまうのではないかという恐怖がある。…考えすぎだろうか。でも大学在学中に感じた周りとの馴染めなさはこういうところにある気がする。「私の所属は○○なので○○らしいロールをします」みたいなコミュニケーションにどうしても乗れなかったんだよな。
そういう意味では、一番よかった展示は鉄道研究会かもしれない。鉄道には興味がないのだが、それでも部屋を埋め尽くす時刻表や交通ICカード、駅や電車の看板を見ていると個々の興味の集積という感じがして良い。壁には部員が撮ったであろう鉄道の写真が並び、果てには部屋の真ん中に鉄道模型が走っている。これは鉄道研究会全体でそういう展示を作ろうとしたのではなく、個々の好きなものの寄せ集めでこうなったのだと思う。なんかその自由さが良いなと思った。一番心地よかったかも。
よかったところをダイジェストであげていくか。詳細は割愛しないと寝れない。
お昼ご飯のモンゴルパン。パン?が美味しかった。ハレの日の飯として最適。
創作サークル「名称未定」にあった塗り絵。塗り絵の割に線画の主張が強すぎてかわいい。
美術部。この白黒の絵は良かった。良かったと言えるようになってよかったね。
野生生物研究会。標本は会の活動がそのまま作品になるので展示映えすると思った。普段どういう活動をしてるか分かりやすいのは良いね。
写真に撮ってないけど吉田寮の写真展もよかった。よかったが、綺麗にまとめられてすぎていたので「お前、消えるのか…?」の気持ちになった。なんかもう無くなってもいいような感情。良くはないのだが。
たくさん展示は見たが、買ったのは吉田寮のポストカードとりんご12個だけ。そう、りんごを買いました。りんご部隊が今年も来てた!!! 売り切れ寸前で買えたっぽいので、良かったですわね。無理して焼き上げたタルトタタン、やるぞー。
その後は友人と夜通しお話ししたり。内容は秘密です。夜通しのお話しの前に年賀状絵の色調整もした。明日も引き続きやります。おやすみなさい。