葉脈と潮流

純粋さを磨き、迷わない。

はじめてでもゴーストを完成させる15の方法

この記事は伺か・伺的 Advent Calendar 2024(第1会場)の6日目の記事です。

adventar.org

 

こんにちは。初めましての人は初めまして。墨鼠と申します。伺か制作歴9ヶ月くらいの新参者ですが、アドベントカレンダーという企画自体には馴染みがあったので飛び入り参加させていただきました。伺か周辺の人々やこれまでの知見の集積についてはまだ完全に把握してないので、もし車輪の再発明だったりしたら、ごめん!! それでは、どうぞ。

あ、ちなみに。伺かとは何かとか、ゴーストとは何かとかみたいな説明はすっ飛ばします。普通にブログを見に来てるひとたちはごめんね。伺かについては以下の記事で少し解説しています。あとぼくが今夏に作ったゴースト『Adaptation』のダウンロードリンクも載ってるので、よければぜひ。ぜひ!!(大事なことです)

indigomou5e.hatenablog.com

 

 

はじめに:ゴーストを作る、世界が広がる

今年の夏ごろ、ぼくは初めてのゴースト『Adaptation』を作り上げ、世に送り出しました。Twitterに投稿したところ思ったよりも多くの反響があり、たくさんの人がダウンロードしてくれたようです。単純に悠梨と鈴(当該ゴーストでありウチの子)をいろんな人が触れてくれるのもうれしかったし、ゴーストを作るうえで形にする中で自分の中でもキャラクターが育っていくのを感じました。きっとゴーストを作らなければ悠梨と鈴はここまで生き生きとはしなかったでしょう。

 

この記事では制作を頓挫させずに最後までゴーストを作り上げるために役立つかもしれないコツを15個挙げていきます。これらはぼくが実際に今夏に公開した初めてのゴースト『Adaptation』を完成させるまでに気をつけたことたちです。もしくは、作ってる途中で次からはこうすると思ったこと。もしゴーストを作りたいと思っているなら、何かの参考になるかもしれません。なんてったって15個もあるからね。多いよ。

 

ここで紹介するTipsに共通する理念として、とにかく完成させるために制作コストや判断コストを落として、ハードルを下げようとしています。完璧を目指してこだわってしまうと完成しない恐れがあるので、できるだけコストとハードルを下げていこうと考えています。

もちろん、あなたなりのこだわりがあるならそれに従って頑張るとよい! こだわりを曲げるのは嫌だし、個性が出ているほうがいい味のゴーストになるから。そのほか、Tipsが合う合わないという問題もある。すでにゴーストを作ったことがあるなら好きなTipsだけつまんでいってもよい。

まあつまりは、ゆるく流し読みして好きに取り入れていってください。

 

あなたがゴースト制作を始めるきっかけになれたり、ゴーストを作る間に思い出してやる気を再チャージしてもらったりして、その結果この世に出るゴーストがひとつでも増えれば幸いです。ひとが世界に生み出す作品は多い方がいいからね。

 

準備編

大まかにTipsを5つずつに分けて、準備編、執筆編、モチベーション維持編としています。準備編はゴーストを作りだすまで。「こういうゴーストを作りたいかも」から「今からこういうゴーストを作り始めるぞ!」までできるだけ高い確率で推移できるように気を付けていることとかを書いていきます。ここではとにかく士気を高めてやる気を出させることが大事。このあたりはゆるく楽しくをモットーにやっていく。

 

1.ランダムトークらしきものを書いてみよう

なんとなくこういうゴーストが作りたいかもと思ったときは、ぼくはまず最初にランダムトーク“らしきもの”を書いてみることにしている。ランダムトークではなく「らしきもの」なので、別にちゃんとオチがあったり、ゴーストのキャラクター性が出てたり、たくさんトークを書いたりしなくてもいい。作ってみたいと思うがままに、スマホのメモ帳にでもトークを書いてみる。ひとつ書いて、まだ書きたいならもうひとつ。

そうやって、落書きのように筆が走るままに自由に書いていくと、自然と自分がそのゴーストを作れそうかどうかがわかってくる。書いてみてわかることは多い。どういうノリのトークになるのか、ソロとペアどっちがいいのか、そして自分がどれくらい書きやすいかどうか。

 

とはいえ、そんなことを変に考える必要はなくて、自然とランダムトーク(らしきもの)が増えていくのであれば制作に移ればよい。書きづらいのならゴーストの要素を変えてまたランダムトーク(らしきもの)を書いていく。筆が乗るなら書けるだろうし、そうでないならそのままでは作品として完成させるのは難しいと判断する。

そして何より、そうやって書いたランダムトークらしきものはそのままランダムトークとして継承できる。小説や漫画では描きたいシーンを部分的に描いたとてそのまま流用できるとは限らないのに。伺かはそのあたりがメディアとして楽だと思う。活用していこう。

初期のメモ帳。「」『』で人物分けしているのが初々しい。

 

2.スマホ、PCで同期できるメモ帳を使おう

トークのネタや各種テキストは思いついたときに書くしかない! あとであとでと思っていたら忘れてしまうし、思い出しながら書くのも手間だから。いまはスマホとPCのメモ帳を同期できる便利な時代だから、活用させてもらった。好きなときにスマホでメモして、パソコンでそれを参照・コピーしながら伺かを作る。これでかなりコストを下げられた。

ぼくは上記の「ランダムトークらしきもの」を作るときもスマホでメモ帳に書いたし、実際のランダムトークもメモ帳アプリで溜めていった(こちらはパソコンも適度に併用した)。伺かの辞書に書き足すよりはだいぶハードルが低くてよかった。「辞書書くぞ!」と思ってからちゃんとしたテキストエディタ起動するのって思ったよりコスト重いからね。

 

メモ帳アプリはなんでもいいと思う。各自好きなのを使ってもらえれば。ぼくはCosense(旧scrapbox)というWebサービスを使っています。メモ帳同士のリンクができたり箇条書きを基本とした書き方が便利。

Cosense。この後も何回か出てきます。

 

3.フリーシェルを使おう

ぼくはキャラクターにこだわりがあったのでシェルを描くところから始めたけれど。これはかなり労力が大きかった。単純に絵を描く時間もそうだけれど、シェルにするためにシェルの構造を理解し、その構造に合うように分解できるように設計し、実際に描いたものを組み立てていく。そういった把握のコストがだいぶ高かったように思う。

こんなシェルを描きました。カワイイ。

ようやくシェルを作ってもゴースト完成までまだまだ道のりは長いとなると挫折する人も多いのではないかしら。ぼくの場合も、まずはフリーシェルを借りてゴースト作りの全体像を把握してから、オリジナルのシェルの作り方を覚えたほうが楽だったなと思う。今回は乗り越えられたけど、ちょっと初めてにしては大きめの山に登っちゃった。

 

もうひとつ。シェルを自作すると、制作途中に修正することができる。これが実はなかなか難儀な気がしていて。あの顔が欲しいから描き足そうとか、この顔はもう少しカワイくしたいとか思うこと、それは結構なことなんだけれど、そうやって修正できることによって完成から遠ざかってしまうのも事実であって。他人のシェルで作れば、そういった寄り道をしないで済む(というか基本的に寄り道をできなくなる)だろう。ぼくも次はフリーシェルや立ち絵の依頼をしようと思っています。フリーシェル、どんどん使っていこう。

 

4.里々を使って書こう

これもぼくの制作には当てはまらないのだけれど。はじめての栞の選択は、里々を強くお勧めする。ぼくはyayaを選んでだいぶ苦しんだので。いま栞を選ぼうとしていたときの自分にアドバイスできるなら、「最初は里々を選べ」と耳打ちする。ぜったい。

とはいえ、yayaが悪いわけではない。少なくともぼくはyayaが大好き。おそらく里々よりは手に馴染んでいるだろうと思う。ただ、yayaはその仕様の把握に少し手間取る。どういう命令を出したいときにどういう書き方をすればいいかを自然にわかるようになるまでにだいぶ時間を要した。

また、里々はスコープ(どっちのゴーストが喋るか)の切り替えのときに自動で改行やウェイトを挟んでくれるのがうれしい。なんとなくただトークを書くだけで、見やすいゴーストができあがる。yayaはぜんぶ自分で書かないといけない。逆に言えば、yayaなら好きにカスタマイズできるんだけど。

 

要は、電器屋でPCを買うか、自作PCを組むかという感じに近い。別にどっちが良い悪いとかはないけど、初心者が挫折しない方はどっちかというと、それは、ね。カスタマイズ性の高い自作PCもいいんだけど、最初から自作でPCを組むと挫折率は上がる。しかもパソコンが起動したら終わりではなく、まだまだそこから先があるのだ。

そう考えると、初めては里々でよかったなと思う。シェルも自作してyayaも作ったのに完成に辿り着けてよかったよ、ほんとに。

 

5.テキストエディタを使おう

良い文章は良い作業環境から生まれる。書きやすい筆、座りやすい椅子、適度な高さの机。これはゴーストの辞書作りでも同じ。つまり、辞書を編集するテキストエディタも適切なものを使ったほうがいい。これについては多くの先人たちが同じことを言っているようなので詳しくは述べないけど。今年の伺かアドベントカレンダーで編集環境について話していた人がいたのでリンクを貼っておきますね。

lost-nd-xxx.hateblo.jp

里々なら「さとりすと2」がいいらしい。ぼくはyayaだったけど、「visual studio code」を使いました。これもメモ帳アプリと同じで、手に馴染むものならなんでもいい。でも、使ってるテキストエディタが自分にとって本当に最善かどうか、たまに考え直すといいかもね。ぼくは自分にはvisual studio codeが最善だと疑っていませんが………

 

執筆編

執筆編ではゴーストの核となってくるテキストについて、できるだけスムーズに書けるように気を付けたことを書いています。テキスト量はゴーストの命。とにかくたくさん書いたほうがいいけれど、どうやったら書きやすい状態を長く保てるのか。そういうことを考えて日々執筆していました。基本的には、執筆以外に余計なことを考えないようにするという方針で動いています。

 

6.必要最低限の機能だけ持たせよう

ゴーストのイメージも決まった、シェルも用意できた、執筆環境も整えた、そうなったら次はゴーストの仕様を決めていくことになる。いろんなゴーストと触れ合ってきた人ほど、多様な仕様を思いつくだろう。思いつきましたか? いますぐ全部捨ててきなさい。ランダムトークだけするゴーストで十分です。

………石投げないで。最後まで聞いて。まず、仕様をリッチにすればするほど完成は遠ざかる。完成する前に頓挫したら世に出ないけれど、世に出てしまえばあとから好きに更新できる。ver1.0の機能は最低限だけ持たせて、あとから更新するのが一番よい。

そして何より。「全部捨ててきなさい」と言われても捨てられない仕様があるなら、それはそのゴーストの核だとわかる。それは捨てなくてよい。大事にしましょう。でもそれ以外はなるべく切り捨てて、単純なトーク以外の実装を少なくすると完成させやすい、と思う。

 


ぼくの場合。そういったなくてはならない機能だけをとりあえず盛り込んだものを設計図として作った。ランダムトーク、撫で反応、自己紹介トーク、質問集。ver1.0で実装したのはそんなもの。というか、設計図より仕様の数をさらに減らしている。その代わり、ランダムトークだけは70個くらい用意した。

そして、ver1.1でソロトークモードを追加して、ver1.2で誕生日イベントとゴーストへの差し入れを追加した。まだまだ追加したい仕様はある。そういうものは後から好きに追加していけばいいと思っている。すごく仕様がリッチなゴーストも最初はもっとシンプルだったっぽいしね。そういう自分への言い訳も大事。

 

7.ToDoリストを作ろう

ゴースト作りにおいては思ったよりたくさんの作業がある。トーク書き、表情の設定はもちろん、メニュー作成、ネットワーク更新、descript.txtの作成、各種システム(起動、終了、アンインストールなどなど)のトーク作成など。毎回作業を始めるたびに何をするか考えるのは無駄に思考のコストがかかるので、ToDoリストを作った。

ToDoリストとDoneリスト(終わった作業を書くリスト)を作って、できた作業はToDoからDoneに移していく。残っている作業が一覧として残っているから、今日何をやるとよいかが分かりやすい。何をやればいい!?って悩む時間が減ってGoodでした。

 

個人的にはこれが上手くヒットして、Doneリストがどんどん満ちていくのが楽しかった。オススメです。もちろん、チェックボックスとか作って終わった作業にチェックを入れていくのとかもいいと思うけれど。やりやすいなら物理のメモ帳に書いてもよい。好きな方法をとるがヨロシ。

 

8.トーク執筆とさくらスクリプトの記入は分けよう

スマホでランダムトークを書き貯めてたという理由もあるのだけど、PCでトークを書くときもさくらスクリプトは最小限しか入れてなかった。\0、\1、\n、\eくらい。それらすら書いてないときも多々ある。入れなくても雰囲気でわかるものね。ウェイトやらサーフェスのことは一切考えない。ユーザ名もやる気があるときは%(username)って入れるけど、だるいときは「ユーさん」とか入れてた。

これくらいしかさくらスクリプトは書いてない。

とくにサーフェスの記入は別分野の頭を使うから、コスト削減のために一括でやろうと決めてました。サーフェスを記入するぞ!って頭にするのもコストがかかるものね(個人の感想です)。顔の一覧を見ながら適切な顔を選んで、前後の顔とのコントラストや、その顔でいる時間の長さも考えながらサーフェス番号を記入していく。割と神経を使う作業だと思うのだけれど、みんなはどうなのかしら。もし気を使う作業なら後からやるのもよいかもしれない。サーフェスつけ忘れたまま公開だけしないように……(こわい話)

 

9.replace.txtを活用しよう

そんなレベル2くらいの初歩的なTipsを言われても!と思われたらごめんなさいね。でも、伺かはいかにreplaceを活用するかだと思っている。とにかく自分がまだできてないreplaceの活用方法を常に探していく、くらいの心構えでいます。

句読点(、。)、三点リーダ(…)、感嘆符(!)、疑問符(?)をウェイト付きのものに変えるのは基本として。(yayaではサーフェス切り替えの際に改行が行われないので)最初のスコープ変更以外では\0や\1と書くだけで1.5行分の改行がされるようにしたり、yayaにはないconst的な変数をglobaldefine(yayaのreplace)で作ったりしていた。あとサーフェスを\s[XXX]って書くのがめんどいので二重の[]で囲ったら\s[XXX]にしてくれるようにしたりとか。いろいろ改造してます。たぶんまだまだ知らない活用法がある。そういうのも考えながら他のゴーストを見ると楽しい。

弊ゴーストのdefine(replace的なもの)。

 

10.gitと連携しよう(できれば)

プログラマーの性(さが)で、特に意図もなく癖でgitにゴーストを連携してみたのだけど。めちゃくちゃ作業が気軽に楽しくできるようになった。ノートパソコンでもデスクトップでも好きな時に作業を進められるし、コミット履歴でこれまでがんばってきた歩みも視覚化できる。そして万が一アンインストールやネットワーク更新をしても安心。githubとかと連携すれば誰でも見れるようになるので、サボってないかの確認にもなる(誰も見てないだろうけど)! 良いことづくめ!!

しかし難しいのは、gitを知ってる人はたぶんゴーストをgitで管理してその有効性も知ってるだろうし、gitを知らない人にはなかなかその強みや導入の仕方が伝えられないこと。一番伝えたい人に伝わらない。

gitを知ってるかどうかで分断が起こってるのはもったいないのでみんなに知ってもらいたい。伺かへのソースコード管理ツールの導入の仕方をブログ記事とかでわかりやすく説明してくれた人っていないですか? ぼくはできる気がしません。どなたか、ぜひ……

 

モチベーション維持編

準備の段階でも、執筆中でも、やる気が減退して頓挫することは多々ある。そういうときにうまく燃料を追加できるように、もしくはそもそも火を小さくさせないように気を付けていたことたち。モチベーションがあれば、そのぶん挫折率は低くなる。個人的にはモチベーションを保ったまま逃げ切るくらいの気持ちでやってる。

 

11.とにかくトークを書こう

これは「ランダムトーク"らしきもの"を書こう」に近いのだけど。思いついたトークはどれだけつまらなさそうでもオチまで書いてランダムトークのメモ帳に残すようにしていた。それが面白いか、今あるトーク群の中に入れてもいいか考えるのは後にする。なんならトーク数を稼ぐために無理やりトークをひねり出してたこともある。それくらい、トークを書くハードルは下げていた。

やっぱりちゃんとしたものを書こうと思うとちょっとした瑕疵というか、小さな引っ掛かりが気になっちゃって。このトークは入れないでおこうって判断になっちゃう。それが積み重なると、頑張ってるのにトークが20しかできてないってなりそうで。そういう、努力してるのに結果がついてこないって状況になると、作るのやめちゃうよね。

 

ついでに言えば、伺かって表現形式はしょせん雑談メインなので、つまらないトークがあってもいいんです。少年ジャンプの漫画とかは無駄を極力省いたりしてるんだろうけど、伺かは読者(?)もゆるくプレイするので、作る側もゆるくていいんです。(個人の主張です)

(まあ、最悪あとでイヤになったトークがあればネットワーク更新でこっそり削除すればいいんですよ。大きな声では言えませんが!!)

 

12.進捗を公開しよう

Twitterには「#ukagaka」「#伺か」といったハッシュタグがある。どうやらこのタグの認知度は高いようで、タグをつけて投稿するとよくリツイートされたり、いろんな人が見てくれたりするみたい。ウチのゴーストもタグを付けたらみんなが広めてくれました。ありがとう、ありがとう……

そのハッシュタグの存在というか有効性をあまり知らなくて、ぼくは結局完成まで使わなかったけれど。いま思うと「こんなの作ってるよ!」って言ってもよかったかも。みんなが応援としてつけてくれる「いいね」って、すごく原動力になるから。やったことがない人はぜひやってみて。「○○を作ったので褒めて!」なんて堂々と宣言しちゃいましょう。みんないい人だからきっと褒めてくれます。少なくともぼくが褒めます。教えてね。

 

13.作ってるゴーストの内容を予告しよう

それに関連して。いま自分がどんなゴーストを作ってるかを宣言するのもよいと思う。いまこんなゴーストを作っていて、いつか公開予定だから待っててね! そんな感じで。

一瞬だけ自分語りをするのだけれど。1年半くらい前にコミティアという同人誌即売会に初参加すると宣言して、友人と一緒にサークル登録して、お互いを人質に二人それぞれ同人誌を作ったことがある。そのときは、たぶんイベントという時限があって、何が何でもそこまでに本を作らないといけなかったからこそ本が作れたというのは絶対にある。

ゴースト作りでもそれは同じで、予告したりイベントを決めたりするといい感じにケツに火がついて完成させられるかも。そういう意味では、テーマに沿ってゴーストを作って一定期間内に公開するイベントを目標にするのもよいかもしれない。

………。「うかるて」、参加したかったな。次があれば何かを作って出ます。ぜったい。

 

話を戻して。先述の通り、『Adaptation』は公開までひっそり孤独に作ってたからそれについては「予告をする」の実践はしてないのだけど、更新中はやったりしてました。

次のゴーストは初めから予告しようかな。する、します。というわけで、せっかくなので企画中のやつをこの記事の末尾に貼っておきます。有言実行。

 

14.たまには好きなゴーストの辞書を見返そう

ゴースト作りは栞という名の筆をいかに手に馴染ませるかだと思うのだけれど。ある程度栞の使い方に慣れてくると、他の人たちのゴーストの栞も意図が分かるようになってくる。読める、読めるぞ!!! 気持ちはまるでムスカ大佐。Translateの使い方、何を関数にしているのか、バルーンの特殊な表記をどのように実現しているか。どんどん盗んでいこう。なにより、新しい技術を身につけるとそれを使いたくなるからね。その勢いのままゴースト作りに戻れば、もう無敵よ。

 

とはいえ、ぼくの場合はなにかのためというよりは個人的に楽しくてそうしてたんだけど。完成品のゴーストを見て入力と出力だけ分かるブラックボックスな状態から途中の経路を予想して、他の人はどうやって書いたか見てみる。たのしくない? けっこう人によってトークの書き方とか千差万別でおもしろい。覗き見みたいであんまり大きい声じゃ言えないけどね。ぼくは好きだよ。

 

15.九分目で公開しよう

9割できたところで公開する。一番大事なことです。もちろん、ネットワーク更新が作れてないとか起動時のトークがないとか致命的な不足は除いて。ぼくの場合も、まだコンテンツがちょっと足りないかなってくらいで公開しようと思っていた。

というのも、100%なんていつまでもたどり着けないから。「あの機能も入れたい」、「あとトークを5個増やしてから公開したい」。それは良いことだけれど、それを実装した後に同じような「あともうちょっと」を言わない保証はない。最悪の場合、その「あとちょっと」のループの中で何か挫折してしまうかもしれない。それなら、もう開き直って公開するのがちょうどいい。

 

重ねてになるけど、あとから機能を足せばいいんです。これは本当に伺かの良いところ。ゴーストの成長まで含めて伺かなんだから、ちょっと幼いくらいでいい。これは半分こじつけだけど、半分本当のこと。そう思っているよ、ぼくは。

 

 

おわりに:君もゴーストを作れる

新規参入を少しでも考えている人たちに向けて軽い文章を書くつもりが10000字超の文章を書いてしまった。そもそも15個もTipsがあったら読みづらいだろうに。今頃気付いたりして。

いろんなことをたくさん書いたけれど、一つでも何かを持って帰ってくれればそれでいい。というか、具体的な手段なんかよりも、「こういう方法を実践すれば自分もゴーストを作れるかも!」という気持ちを少しでも膨らましてくれればと思います。だから、何も覚えてなくてもいい。この記事を読む前よりゴーストを作ってみたいという前向きな気持ちが大きくなってくれれば、それだけで。

だいじょうぶ、みんな初めてのゴーストを通ってきたんだから。ぼくもできたし、あなたもきっとできる。この記事があなたの助けになって、ひとつでも多くのゴーストが生まれるように、ささやかながらお祈りしております。

 

 

おわり。明日は瑞樹ユラさんの記事の予定です。お楽しみに。

 

 

おまけ 次回作予告

はい。予告をやると予告したのでね。こわいけどやりますよ。ぼくにもこわい気持ちはあるんです。でもやると完成に近づくから、やるものはやります。

制作中のゴーストは二つあって、一個はこびとのゴースト、もう一個はポーカーのゴーストです。

 

こびとのうた(仮)

見ての通り、ネコとネズミ、体格差の違うふたりによる雑談系ゴーストです。実はネズミの子だけじゃなくて、ネコの子も小人。12cmと60cmくらい。サイズ関係の話をしたり、上下関係の話をしたり、別に何も関係ない話をしたりします。

実は製作開始は『Adaptation』の二人よりこっちが早い。いろいろあって、『Adaptation』が追い抜いて先に公開することになったけれど。そういう事情もあってランダムトークも溜まっているし、特に凝ったギミックも多分ないので、作ればたぶん1~2ヶ月くらいで作れる。筆が乗ったら描きます。

ちなみにシェルは変わる予定です。清書するとかではなくて、他の人に依頼して描いてもらいます。自分でも描けるのだけど、自分にない要素を作品に混ぜ合わせてみたくて。どんなのができるか、お楽しみに。ぼくもまだ知りません。

 

第三高校ポーカークラブ(仮)

ソロゴースト(たぶん)。部員一名のポーカー部に仮入部させられたり、入部したり、ポーカーの話を聞いたり、ゴーストとポーカーを遊んだりできるゴーストの予定です。ポーカー用語にはアンカーがついていてすぐに意味を参照できるので、知らない人も安心。あ、ちなみに「ポーカー」というのは手札をチェンジするやつじゃなくて、手札二枚でやるテキサスホールデム(テキサスポーカー)というやつなので悪しからず。

ぼくが大好きなポーカーを身近にしてもらうために伺かで題材にしてみたいとは思いつつも。ランダムトークをどういうノリにするかとか、ゴーストのキャラとか、ポーカーのAI部分の実装とか、いろいろまだ曖昧なところが多い。そういう意味ではこびとのゴーストより進行度は低めなんだけど、難関そうに見えるぶんこっちに挑戦している時間が多い。もしかしたらこっちのが先にできるかもしれない。

シェルもどうしようかな。とりあえず男の子にしてるけど、男の子としてトークを書くのがむずかったら女の子になるかも。というか、どういう子がポーカーしてると一番うれしいのかしら。迷い中。みんなはどんな子がポーカー強いとうれしい? よかったら教えてくださいね。

 

 

以上。宣言してしまったのでがんばります。応援しててくださいね。

本当の本当に終わり。明日は瑞樹ユラさんの記事の予定です。お楽しみに。(大事なことです)

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