葉脈と潮流

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【事前調査編】2024年に、伺かのゴーストを作り始める【YAYAでゴースト制作日誌#01】

2024年1月初旬、伺かのゴーストを作りたいと思い立った。伺かというのは、PCのデスクトップに立たせるマスコットの総称みたいなものです。ベースとなるソフトウェアがあって、それに沿ってトークを書いたりキャラクターの立ち絵を設定したりすると、オリジナルのデスクトップマスコット(それをゴーストというらしい)を作れたりする。そういうものが、あります。歴史はどうやら90年代くらいまで遡れるようで、00年代後半くらいに一番流行ったみたい。

SSPにデフォルトでついてくるゴースト「Emily/Phase4.5」

それを、今、やる。敢えてとかでもなく。やるべきだという天啓が降りてきたから、やるの。見てくれる人がいるかどうかは、正直分からないけれど。

そしてその過程をレポートとしてブログで公開してみることにした。これは、需要がさらに不明だけれど。プレイしてくれる人も少なくなったのに、今更作ろうとする人がそんなにいるのかしら。でも、どこかの誰かに一人でも伝わればいいと思う。そうでなくても、分からない人にも最低限の読み物としてのコンテンツ性は頑張って確保するので、良かったら読んでください。長くなったのでいくつかに分けて投稿します。今回は事前調査編!

 

栞を選ぶ(??)

とりあえず。何も分からないので「伺か ゴースト 作り方」で検索した。当方web検索のセンスはゼロです。とりあえずトップにヒットしたものを読む。シェル(キャラクターの立ち絵)やバルーン(吹き出しのデザイン)の作成はいいとして、「栞」というのを選ぶ必要があるらしい。

引用元:ゴーストの作り方 - 伺かwiki - atwiki(アットウィキ)

………何ですか??? いきなり独自の概念を出してこないで。もう投げ出したい気分!

後から分かることだけれど、これはプログラミング言語の選択のようなものらしい。もしくはお絵かき用のソフトの選択のようなもの。……筆記用具の例えと五十歩百歩ね。伝わっているのかしら。同じ出力を作ろうとしてもその命令の仕方、作り方が違うみたい。

最もメジャーなのは一番上の里々(さとり)らしい。ぼくが選んだのは二番目の文(あや)。今はバージョンアップしてYAYAになっているらしい。どういう違いがあるのかというと、難しいが。たとえばデスね……

(立ち絵はYAYAのサンプルゴーストのものを流用しています)

こういうトークをさせたいとして、YAYAと里々での記述方法は以下のようになる。

左がYAYA、右が里々。(里々のエディタがメモ帳なのは、赦して。)

プログラミング的な言葉で言うなら、関数や変数の定義の仕方、使い方が全く異なるの。プログラマーの方々には左のYAYAの方が馴染み深い書き方に感じられると思う。ぼくもそう感じてYAYAを選ぶことにした。里々も読めなくはないのだけれど、なんというか書き方が厳密じゃなくて好きではない。これはプログラミング宗教の問題です。

しかし、YAYAを手に取るというのは苦しい道であった。このときはまだ知らないのだけど。

 

サンプルゴーストを触る

さて。よく分からないけどYAYAという栞を選択して。YAYAのWikiにYAYAのダウンロードリンクがあったのでダウンロードして。それを解凍してみたのだけど。

zip解凍結果

……何??(2回目) readme除いたらDLLファイルが一個あるだけ。DLLファイルなので中身も簡単には覗けないし。詰んだ!! YAYAのwikiを調べてもドキュメントやTipsが書いてあるだけで、1からゴーストを作るレシピは描かれていない。なんかよく分からない一文があるだけで。

てんぷれーと??

引用元:StartUp/YAYAでゴーストを作る - AYAYA/03

まずは好きなテンプレートを選んで、改変してみましょう。

テンプレート? 改変? どういうこと??

 

……いろいろなサイトで情報を集めて分かったのだが、伺かは基本的機能が既に一通り実装してあるサンプルのゴーストをベースに改造して作るものらしい。サンプルゴーストの立ち絵を自分のキャラクターのものに置き替えて、トーク内容を一新して、場合によっては独自機能を付けて、それを自分のゴーストとして公開するのが一般的らしい。

………すごい。流用していいんだ。イラストレーターがそんなことしたらトレパクとか言われて絶対炎上する。エンジニアは他人のコードを援用する程度のことは日常茶飯事とはいえ、他人の完成物をベースに自分の作品を作るというのは聞いたことない。スプラトゥーンを改造してAPEXを作るみたいな話じゃん。

書き換えの一例。初回起動トーク

だから、個人的にこの文化はすごく面白いと思う。いくら自分で基本的な機能を実装していくのが難しいとはいえ、他人の作品をベースにしたものを自分の著作物と主張していいという雰囲気が存在しているなんて。なんというかすごくおおらかで、ぼくはこのゆるい雰囲気は好き。

 

話が逸れちゃった。YAYAの文法や機能がどうこうとかそれ以前に、まず「サンプルゴーストをいじる」ということを学ばないといけないらしい。以下のリンクあたりが役に立った。(便利なリンク集自体は僕がわざわざ貼らなくてもいろんなところで公開されているのだが、リンク切れになっているものが多かったり、情報が古かったりする。なのでぼくの方でも参考にしたリンクは貼っていくことにする)(また日が経ってリンクが切れたりするのかもしれないが……)

ゴーストを作ろう

インスタントゴーストクッキング

 

ところで。上二つのリンクは確かにサンプルゴーストを弄っているのだけど、二つとも里々で書かれたゴーストをベースに改造をしている。里々ってのはさっきの一番人気の「栞」ね。YAYAのサンプルゴーストはそれとは違うものだし、ファイル構成も少し異なる。とはいえ全く違うわけでもない。伺かのベースとなる部分は共通しているので、里々での改造の仕方はYAYAでの改造に通じる部分も多い。

つまりどういうことかと言うと。結果的に僕は、里々とYAYA両方を理解し、それら二つの栞の間で「翻訳」をすることになった。里々のほうが圧倒的にチュートリアルやTipsの絶対量が多い。そのため、里々を通して伺かのベースを理解し、それをYAYAの書き方に置き換えて実装していく。里々を選んでいれば学ぶ必要のある栞は一つで済んだのにね。これがけっこうめんどい!! ぼくはYAYA好きだけど、たぶん安易にオススメはしません。里々のほうがいろいろと楽だから。

 

というわけで、15時間くらいは里々についての説明記事と、里々で書かれた既存のゴーストと、YAYAのサンプルゴーストと、YAYAのwikiとの四つをにらめっこしていた。にらめっこについてはあんまり書けることがない。ドキュメントやサンプルゴーストの記述を見て、「ここをこう改造したらどうなるんだろう?」と思ったことを実験してみたり、「既存のゴーストにある記述をYAYAでやるならどうするんだろう?」と考えてみたり。そういう砂場遊びの繰り返し。各々に各々の砂場遊びがあると思うので、これについては深く書かない。それぞれ砂場遊びをがんばろう。

 

emily.shillest.net

あ、ただ、このリンクはとても役に立ったので貼っておく。YAYAのwikiは一通り見たが、導入記事はこれが一番分かりやすい。何を書けばトークが再生されるのか、どんな書き方をすればトークを複雑にできるのか、変数や関数はどうやれば使えるのか、そういったことが例とともに書かれている。問題として、タイトルにある通り里々の記述や機能を例に引いて書かれているので、里々を理解しないといけない前提があるのだが。諦めてください。里々を通らずにYAYAを理解するのは、たぶんとても難しい。

 

シェルを理解する

ある程度ゴーストの基盤がわかってきたところで、シェルを描くことにした。シェルというのはキャラクターの立ち絵のことです。僕は立ち絵も自分で描きたいので、描いた絵のセットの仕方、表情の変え方を理解する必要がある。絵なんて久しく描いてないけど、とりあえずテキトーに仮の絵を描いた。

さっきのサンプルゴースト改造のリンクの中にシェルのお話はあるのでそれをやるだけ。栞が何かどうかは関係なし。でもどうやら時代の進歩とともに伺かも進化しているらしく、昔は透過pngが使えなかったのが使えるようになっているみたい。便利な時代だね。下のページが詳しい。やはり里々のページは情報が豊富だ……

soliton.sub.jp

 

これでだいたいシェル周りの仕様は分かったのだけれど。でも、仮の立ち絵は別に自分で描かなくてもよかったな。皆さんはテストにはフリーシェルを使いましょう!! 言わずもがなかもしれないけど。

シェル周りの把握も大事だけれど、実際表情を付けてトークを書いてみることで自分が欲しい表情が分かったりした。描く時間はないけれど。テストはもちろん、実際に作るときもフリーシェルを使うと一気に時間が短縮されるので、よいです。

 

ちなみに。描く時間がないから自作の3Dモデルを画像にして仮のシェルにしてみたりしたのだが。見事に伺かっぽさが消え去ってしまった。楽をしたりせず、ちゃんと絵を描きましょう。

雑コラみたい。

 

とりあえず。これで調査は一通りおわり。とりあえず今調べたところを全部書き換えれば、最低限ゴーストができる。そういう大雑把なルートの確認をしました。

ちなみに、調査をしていた期間が2024年1月中くらい。そして初めてのゴーストが出来たのがちょうどこの前の7月末。3ヶ月くらい伺かを開発してない期間があったとはいえ、「最低限」ゴーストを作るというのが長い道のりであることをまだ知りませんでした。そのあたりは、また次回以降の制作記で紹介できればと思います。それでは、また。

 

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