葉脈と潮流

純粋さを磨き、迷わない。

20220507日記 最高の一日(買い物と個展と鴨川)

こんにちは。墨鼠だよ。4年住んでたシェアハウスが閉じることになっちゃって、その片付けや整理や掃除をしてたらGWが終わりそうだったよ。10連休とは。

 

何とか最後に遊ぼうと街に出たら思いのほか楽しいこと続きで最高の一日だったので忘れないうちに日記にしておく。アーカイブじゃい。(アーカイブは大事。形にしておかないと少しずつ忘れていってしまう。)

 

今日はそもそも内海さんの個展に行こうと思っていて、いのれくん(シェアハウスの友人)と一緒に個展を見てついでに街中で買い物をする予定だった。

 

しかし突然さらさん(京都に昔住んでいた東京の友人)が京都に遊びに来ることになり、遊び相手を募集していたので急遽連絡を送り一緒に遊ぶことになった。いのれくんともさらさんとも遊びたいので両者にスケジュール調整してもらいさらさんと遊ぶ時間を捻出し、途中からは三人で行動した。

(急いで何度もスケジュールを調整したので二人にはすまない気持ちがあったけれど、あまり迷惑をかけていない様子なのでよかった。ありがとう。)

 

さらさんと二人で行動している間は主に買い物をしていた。ウィメンズのお店とメンズのお店とロフトのネイル売り場を回った。

さらさんが新しい靴を探しているとのことで女性もののセレクトショップ靴屋さんを回った。ウィメンズのお店には僕が男性なのであまり入る機会が無く、店内を見て回ったり一緒に靴を選ぶだけでもとても楽しかった。ユニセックスでない服装については知識がないから一緒に選べないかと思っていたけど、それぞれの靴に感じた印象がお互いに近かったので問題なく一緒に選ぶことを楽しめてよかった。さらさんはすっきりした形の黒い靴を買っていた。ゴールドの靴紐穴がワンポイントでかわいいお靴。ミニマルな印象の黒い靴が似合うひとというのは素敵だなと思った。

(その一方で、女性ものの靴の形やマテリアルにどんな種類があり、それぞれにどのような印象が付随するのか、少し理解が深まったりもしていた。自分のオリキャラはどの靴を選ぶかどうかなども考えてみたりしていたので、感覚を忘れないうちに描いてみたいな。)

 

普段は入らない女性もののお店で色んな服や靴を見るのが楽しかったとさらさんに伝えたら、逆にメンズのお店も行ってみたいとのことだったので今度は自分がよく行くセレクトショップに連れていった。お店や服の好きなところを伝えるだけに留めて、服は買わないつもりだったのだけど、カワイイ指輪があったので買っちゃった。

フォークを加工してつくった指輪。一見するとシンプルな三連の指輪に見えるけど、角度を変えると突然指輪からフォークへと印象が変わるのが面白くカワイイ。色んなフォークが指輪に加工してあり、その形にも差があった(三つ又の部分が平行でなかったり、少しねじれて丸めてあったり)のでどれを選ぶか二人で考えていた。たのしい。

 

あとはロフトの化粧品売り場でネイルポリッシュを探すなどした。自分が良いと思った色を伝えあったり、お互いにどれが似合いそうか提案したりと特別なことはしていないけれど、それでも気付きが二倍になるので一人で探すより格段に楽しかった。洋服屋さんも含めて、やっぱり他人と行くべきなんですね。そりゃみんなカップルで来るわけだよ。

 

途中でいのれくんと合流し内海さんの個展へ。住宅地のちょっと奥まった場所にあって本当にギャラリーが存在するのか少し不安だったけれど、いざ見つけて入ってみると一気に雰囲気の変わった空間が広がっていたので少しびっくりした。

この人は自分の情動を形にして出力するのがとても上手だと思う。現実には存在しない線、存在しない色をキャンバスに置くことで表現したい概念を最大限伝えている*1。そのキャンバスの中には描いた時の温度が残っていて、触れずとも伝わってくるかのように強く情動を封じ込めている。その情動が愛おしくなってしまう*2。そんな絵を描けるのはすごく素敵なことだと思った。おれもいつかそうなれるかな。

自分の情動を表現する技術にも感嘆したけれど、そもそも自分の情動を素直に吐き出すことができているのもすごいと思った。みなが社会に価値観を矯正・修正されていくこの世の中で、作品の中では自分の感じたことに素直になれるその純粋さは美しい(綺麗に、輝いて見える)と思う。

また、かなり多い数の絵(40枚~くらい?)が並んでいたのにも驚いた。個展のために描かれた作品だけが並んでいる、というわけではなく、過去の作品をまとめたもののようだった。統一感は他の展示と比べて低いようにも見えるが、そもそもコンセプトが自分の中の情動を並べていくものらしいので、それを踏まえると統一感のない様子がある一人の人間に生まれた情動たちという一つの軸へと連なって逆説的に統一感を作っているのが面白かった。(情動はすべて一つのベクトルを向いているのではないので、長い期間のそれぞれで抱いた情動を並べていくと当然それらは統一感は薄くなってしまうはずだ。)

内海さんが在廊していたので感想などを伝えることができた*3。でもちゃんと伝えられたかはわからない。口下手だし、それを補おうとして「この絵はここが優れていて良い」みたいな理論的な説明になってしまった気がする。墨鼠の悪い癖。内海さんの言葉もちゃんと捉えられたかわからない。コミュニケーションは難しい。とにかく内海さんの絵が好きで、個展が良かったということだけでも伝えられてたらいいと思う。祈り。

好きな作品があったので購入させてもらうことにした。個展で絵を買うようになってだいぶ経つが、最初は所有欲(その絵をいつでも見れるようにしたい)だったのが、最近ではアーカイブ欲求に変わっている気がする。自分が何を良いと思ったか、そして自分の周りにいる*4人が何を感じたかをモノとして残していつでも再生できるようにしたいという欲求へと。ここ最近、今まで買った絵や人に描いてもらった絵などを見ると様々な思い出や過去の自分、過去の環境が思い出されることが多くなったのが一因だと思う。結局最初のアーカイブの話に戻っていくのね。

さらさんといのれくんもそれぞれの方法で展示を楽しんだようなのでよかった。ギャラリーは皆さんの思っている何十倍も良い空間なので皆さんも行きましょう。映画に近い読後感(読後?)があります。分からなかったら僕が適当に誘うからさ。きっと楽しいよ。

 

夕方からさらさんが別の友人と約束をしているとのことだったのでお別れして、いのれくんと出町舛形商店街でお買い物をした。ここ数年でお洒落なお店が増えていて、行きたいお店が一気に増えてしまった。誰がプロデュースしているんだろう。商店街のご飯屋さんに入りたかったが、たこ焼きを食べると決めていたので買って鴨川デルタで食べた。(タコとケンタローというお店。だしが香ってかなり美味しいのでみんな食べてみてくれ。)

(画角が下すぎて鴨川感がない写真になっとる…)

デルタに座ると自然と様々な話をしてしまう。各所で大学生や家族連れがのんびり過ごしており、道路の喧騒からも離れていて、目の前にゆるやかな川が流れているので何かをゆっくり話すのにはもってこいなのだろう。鴨川で何もしない時間を作るの、やっぱり重要だ。またすぐ忘れちゃうかもしれないけど。

座って休みながら僕といのれくんのそれぞれが描こうと思っている作品の構想や、そのために自分がどう動くべきかという話をした。僕の話をすると、今日個展を見て大きなエネルギーに触れたことで自分のやりたい連作の構想の形がまた少し見えたと思う。まだここまでオープンな場所では言えないが、この日記の裏で書き出している。

 

振り返ると七時間ほどの外出で全てを行った日だった。久しぶりの友人と会い、洋服屋を巡り、それぞれ買い物をし、喫茶店で休み(書く隙間が無かったので下におまけで載せている)、美味しいカヌレを食べ(同上)、個展で素敵な空間に浸り、鴨川でまったり語り合う。こんなに完璧な休日があっていいのか? 掃除と片付けに追われて何もしていなかったゴールデンウィークを取り戻すかのようだ。そんな日があったことを自分にできる限りで形に残した。またいつか折に触れてこの記事を開く日が来ればいいと思う。恥ずかしくて開けないみたいなことになりませんように。

 

 

おまけの写真たち

ライト商會でレモンスカッシュとたまごサンド(写真忘れた)を食べた。自家製のレモネードや梅酒が美味しくないこと、無い。さらさんが梅酒を漬けるプロなのでお勧めの漬け方を教えてもらった。今年は作るぞ。たまごサンドもマスタードが効いてて美味しかった。オススメ。

 

個展のギャラリーの近くにカヌレが美味しいらしいお店があったので寄って食べた。hereというお店。ちゃんとしたカヌレはやっぱり美味しい。さらさんはカヌレ型を持っていて何度か作ったことがあるらしい。行動力。カヌレコスパ(取得するコスト+作るコスト:できるカヌレの美味しさと量)が良さそうなのでどこかでスキルを取得したいなと思った。型は高いしAmazonにしかないらしいけど。

 

今日の爪。お出かけ+個展なので柄シャツ(カワイイ)に合わせてみた。黄色のネイルポリッシュをヘビロテしていたら中身が切れかけていたのでびっくりした。マニキュアを使い切る実績解除。自分が黄色が好きだということが分かるね。

 

デルタにいたカラス。デルタのカラスって近づいても逃げない気がする。なんでだろ。カワイイからいいんだけど。

*1:僕は現実にあるものの模倣をすることしかできないからただただ打ちのめされてしまう。

*2:この共感は本物ですか? 共感した気になってるだけですか?? わからん、助けてくれ。

*3:自分事だが、感想を直接伝えられるようになったのは成長だと思う。今までは在廊しているアーティストさんに声をかけたり感想コメントを残すのが恥ずかしかったから。でも最近は頑張って伝えるようにしている。おれは感想貰うとハイパーうれしいし、みんなに何でもいいから感想投げてほしいと思ってるから。あと「褒められて嫌な人はいない」という信仰を持とうとしてるというのもある。

*4:それはこちらが一方的に相手を見るだけだったとしても