あけましておめでとうございます(2回目)。年内に終わらせたいポリゴン張りがようやく終わったので感覚的にはようやく年が明けた感じです。っていうか細かい装飾品が意外と多くてビビりましたね。結局3日までかかってるし。まあとにかくひと段落したので報告します。
とりあえずいつものイメージ図置いておきます。前回は(手袋や靴でどうせ隠れてしまう)手先足先以外を作ったところまででした。
かわいいね。身長120mmの世界を生きていける人間の顔してるよね。性癖と宗教の話になるので戻します。
ジャケットとハーフパンツ
29日の作業。とりあえず手始めに何とかなりそうなジャケットとパンツから。正面図を参考に形をとって、アタリを付けていきます。画像を取り忘れてたのでいきなりそこそこ進んだ画像だけど許して。
ジャケットについて。2枚目の画像を見てもわかる通り、肩部分、胴体部分、袖部分に分けています。それぞれを適当に作って後で縫い合わせます。ポリゴンが荒いですが、これで最低限作ってからCtrl+Rのループカットでもう少し分けます。直線に近い部分はあえて長方形の面を置いて調整しやすくして位置が決まったらループカットで決定という感じですね。
パンツについて。全く作業工程がないうえに画像も正面からだけですいません。まず脚を通す部分を作ります。円筒メッシュを作成してSからのShift+Zとかで脚に合わせて袖口*1の形を調整したり、袖口の頂点を全部選択してSで適度に拡大縮小するとか、そんな感じで袖部分を作ります。
次に股部分。ゴムかベルトかで締まってる上の部分を肌に合わせる形で適当に頂点を取ります。上の画像で選択してる部分ですね。ここで頂点の数を袖部分とある程度合うようにしておくと縫い合わせが楽です。お腹から背中まで面を張ったら下に引き伸ばして袖とぶつかるところまで。緩いパンツを作ろうと思ってたので締まってる部分以外はゆるっと広がるように。全体が取れたら股部分と袖部分を縫い合わせます。外側を縫い合わせて、股の下部は、まあノリでそれっぽくやったらいけます。たぶん。分からなかったらカスタムキャスト見ましょう。
ゴーグル
次はゴーグル。ゴーグルつけたイカちゃんを描いたときも最初にあげたイメージ図を上げた時も、ゴーグルって形が頭でうまくイメージできなくて書くときにめちゃくちゃつらいんですよね。レンズ部分とかとくに頭の中でうまく回転できなくて。毎回苦戦しながら描いてたので苦手意識がありました。
ただ、実際やってみるとそんなに難しくなくて、レンズ部分の形がイメージできていれば、その形を作って拡大縮小と移動で無機的な形なら簡単に作れるので楽でした。画像で見てみましょう。
まずレンズを作ります。たくさんの頂点をもつ一つの平面にしておきます。レンズの形はタレっぽいのが好きなので外側に広い三角形を丸くした形を作って、これを変形させて作っていきます。
レンズ部分は陥没しているのでEで押し出してSで拡大、Gで垂直移動とか繰り返してゴーグルらしい形を作っていきます。相似図形なのでこういうことができて楽ですね。2枚目の画像でレンズ近くのは完成してます。何気にレンズ周りを湾曲させてます。レンズの中央あたりの線をまとめて選択してプロポーショナルでG移動してます。
次はバンド部分。頭に刺さってる円盤がバンドの元です。円盤から面を取り除いてわっかにします。これに限らず袖とか指とか円柱に近いものは円柱を変形させて作ると歪みが少なくなると思います。失敗例は僕が初めて作った髪の毛ですね。あれかなりボコボコなので。後ろに回して、あらかじめ開けておいた穴から後ろ髪の下に通します。髪と競合しないように形を変えたり髪の毛の方を動かしたりして潜り込ませました。完成図はこんな(↓)感じです。何気にジャケットを縫い合わせたりしてます。29日の作業はここまでですね。
お耳
ここから30日の作業。ゴーグルを作ったので次は耳です。ネズミの耳、みたことありますか?僕はまじまじと見たことはないです。たまに見ますけど頭には思い浮かばないという感じ。うん、小さき生物の象徴としてのネズミが好きなだけでネズミ自体は特別好きじゃ、この話はやめにしましょう。
飼ってたことのある猫と違って、ネズミは資料がなければそもそもイメージすら浮かばないので検索しました。なるほど、ちょっと外に向いた耳で前後に少し潰れていて頭との接触部分は少し窪んでるのか、とイメージをして、耳のふち部分をなぞります。3キーを押して横からにするといい、のかな。ふちがなぞれたら前とか斜めから見つつよさげな形に変形し、ゴーグルと同じくEとS、Gで耳の内側と外側を作ります。ゴーグルと違ってそれだけでは形になりませんが、スカルプトモードで盛り上げたり凹ませたりさせる前のアタリとしては十分です。その時点の画像がこちらです。
形はこんなもんですね。左側に見える耳を見ると分かりますけど、耳の外側が直線的すぎて変な感じがしたのでこのあと丸めにしています。位置も後ろな気がしたので頭の中心から真横あたりに移動しました。
ついでに三面図や設定画に描いていたゴーグル上部のハネた髪を作ろうとしましたが、設定画で考えていたよりもゴーグルが上の方についたことなどによってスペースがなくなり、ゴーグルや耳が十分に主張してくれたのですでにある髪の毛のハネを少し強くして頭の調整を終えました。
手、おてて、表情豊かな手指
31日の作業。手。おてて。面倒だからと先延ばしにして三面図すら書かなかった手。大好きなんだけど絶対強敵なのが分かるんですよ。とはいえあとは手と靴だけになったので向かいます。
まあ三面図を描かないのには理由があって、自分の指を写真にとればそこそこ制度の良い図が取れるんですよ。手の甲、親指、指先からの三面の写真を撮って張り付けました。これは予想ですけど、手の指については指を伸ばした図よりこの写真のように少し曲げた図で作ったほうがいい気がします。指は最終的に自由に曲げたり伸ばしたりしたいので、関節が分かりやすい状態でモデルを作るのがいいんじゃないでしょうか。
画像のようにまず人差し指を作ります。円柱をGで歪めてRで曲げて形を合わせます。画像で見るともう完成してるように見えますけど、少し角度を変えると歪んでしまうので難しいですね。側面が完成したら正面から見て、それぞれの頂点をX軸のみで移動させて形を整えます*2。それでだいぶ整うのであとはちまちま修正です。根気。
人差し指がとりあえず完成したら中指以降を作ります。横からだと中指以降は見えないですし、指ごとに大きく形が変わるとたぶん問題ですし、そもそも同じことを繰り返すのはだるいので他の指はコピーペーストします。指ごとに細さや長さは違うので、それぞれの指をSやGでそれらしく調整します。指を配置したら三面図をもとに指より下のシルエットをなぞっていきます。
指とにらめっこしながら、特徴的なところからメッシュを張っていきましょう。画像は親指の付け根部分のふくらみを作ろうとしています。今見るとだいぶふくらみが甘いですね。特徴のある部分を作ってしまえば、残りの部分は"見え"ます。画像では手のひらの平べったい部分がかすかに"見え"ますね。見えれば勝ちです。
次の画像では親指完成してた。ちなみにこれが2日の19時撮影。手はね、しんどい。しかもこの後さらに調整していきます。手フェチなので。あとたぶんこのあと人間サイズの子が出ると思うし、そしたら当然手のひらにも乗るじゃないですか*3。そのときはアップで映るし、綺麗な手にしておきたいですよね、だからこれは仕方ないんですよ。うん。最終的にこうなりました。
手フェチが本気で作った手、見て。 pic.twitter.com/8KwmtvbApI
— 藍鼠 (@indigo_mou5e) January 2, 2019
それと、腕に接続してみたら明らかに男の手だったのでS+Yで女の子の細い指にしました。5秒で問題解決。人間の知覚ってちょろい。
— 藍鼠 (@indigo_mou5e) January 2, 2019
これは男の子の手を参考にして作った手が一瞬で女の子の手になるマジック。 pic.twitter.com/MJ2MYJzVwi
ブーツ、仕上げ
最後にブーツ。エンジニアブーツの女の子を描くのが絵を描き始めたころからの夢だったのでエンジニアブーツになりました。たぶんこの子はファッションアイテムでありつつちゃんと安全靴してるやつ履いてる気がします。でもエンジニアブーツもイメージができないので検索しました。靴ひもがなくてベルトがついてるのがエンジニアブーツ、なんですかね。とにかく作っていきます。
三面図がないけどカスタムキャストを参考にしながら前からと横からのアウトラインを作っていきます。このあと、接地面のシルエットを取ったら"見え"たのでわりとすんなりブーツは終わりました。あまり靴にこだわりがないのもあります。最後に円筒をいじってベルトを付けて、バックルを付けて終了。
完成図。としっぽ。細長い円筒を先細りさせただけ。本当はしっぽに表情付けたいけど、できるだけ直線の方がボーンを入れた後動かしやすそうなのでしっぽを硬直させてます。なんなら画像みたいに少しだけ曲げることもせず尾てい骨に突き刺さるようなしっぽが一番いい気がします。
忘れてたけどジャケットのインナー。上裸にジャケット着てる変態になるところでした。新しい技術なんですけど、体のメッシュをコピーして別オブジェクトにしてインナーを「膨張」させてます。膨張は編集モードで左の「トランスフォーム」欄の収縮/膨張ボタンを押すか、ショートカットキーAlt+Sです。Sの拡大縮小に似ていますが、膨張は法線に沿って移動します。分かりづらいと思うので次の画像を見てください。
左の図形に拡大と膨張を行ったとしましょう。拡大だと形を保ったまま大きくなります。一方で膨張の場合は周りを縁取りするように大きくなります。どちらもそれぞれの用途がありますが、体にぴったり合った服を作る場合は膨張が便利です。拡大の場合だと画像のように場合によっては元の図形に埋まります。
この膨張を使ってインナーの概形を作り、お腹側の裾は少し広げて首周りのガタガタの頂点を少しいじったらインナーは完成です。何気に忘れてましたけど、インナーの画像を見てもらったら分かる通りお腹に空いていた穴を塞いで肩と腕を縫い合わせています。股と脚は縫い合わせてません。だるいので。必要になったらやります。
とりあえず、完成
ほい!ポリゴン張りはおおむね完成した、ので、見てほしい、にゃ!!! pic.twitter.com/EMvc75PIdk
— 藍鼠 (@indigo_mou5e) January 3, 2019
というわけでポリゴン張りは96%くらい完成。あと3%くらいは例えば袖口からのぞいた時に奥の方のポリゴンが見えないようにいわゆる「スカートの中の暗黒」的な部分を作る作業です。面倒なので後回し。残りの1%は僅かなアシンメトリー部分とこれから何度かあるであろう微調整の分です。微調整のためにミラーは最後の最後まで残しておきます。
これからはとりあえずテクスチャを作っていきます。UVてんかい?ってやつをやってUVはいれつ?ってのを出力してペイントソフトで描くといいらしい?ですよ。すごいですね。というかちょっと調べたらその前に前述の残り4%やった方がよさそうな感じなのでやらなきゃですね。それじゃ、また。
続き→ #06 リギング
最後におまけ画像。せっかく手を作りこんだので。サイズもおそらくおおむねあってると思います。余裕で乗れるけど狭いといえば狭い絶妙な大きさですね。ちょっと揺れたら落ちちゃいそう。